新宿区神楽坂にある近代的な社殿が人気を博す神社が、今回ご紹介する赤城神社です。2010年に建築家・隈研吾氏の協力のもと、現在の姿に再建されたことから、日本で最もモダンな神社と称されるほど洗練されたデザインが特徴的です。
そんな、赤城神社の歴史やご利益、現代に合わせた再生プロジェクトの取り組みについてご紹介します!
1.赤城神社の歴史
赤城神社の始まりは正安2年(1300年)。後伏見天皇の時代に、群馬県赤城山麓の大胡の豪族であった大胡彦太郎重治が牛込に移住し、そのときに本国の鎮守であった赤城神社の御分霊をお祀りしたと伝えられています。
実に700年以上もの長い歴史を持っている神社です。
火災や戦災により2度の社殿全焼を経験し、2009年からは老朽化した社殿全体を建て替える「赤城神社 再生プロジェクト」も行われました。
その後は2011年に神社でありながらグッドデザイン賞を受賞するなど、これまでの神社にはなかった新しい視点を取り入れています。
2.赤城神社のご利益
赤城神社は、良縁成就・学業成就・厄除け などで知られる神社です。特に以下のご利益があるとされています。
良縁成就・縁結び
御祭神の赤城姫命は縁結びの神とされ、恋愛成就や夫婦円満を願う参拝者が訪れます。境内の「縁結びの木」も人気です。
学業成就・芸能上達
もう一柱の御祭神磐筒雄命は、学業や芸術の向上を司る神とされ、受験生やクリエイターに信仰されています。
厄除け・開運
厄年の厄払いに訪れる人が多く、毎年1月の「厄除け祈願祭」には多くの参拝者が集まります。厄除けのお守りも授与されています。
商売繁盛・家内安全
経営者やビジネスパーソンが成功を祈願し、家族の安全や繁栄を願う人々にも信仰されています。
火防の神(火災除け)
磐筒雄命は火除けの神としても信仰され、火災除けのご利益を求める参拝者も多く訪れます。
和モダンな駅舎の神楽坂駅から神社アクセス
神社までは、東京メトロ東西線「神楽坂駅」1b出口から徒歩約2分。周囲の歴史ある街並みと調和しつつ輪を生かしたモダンなデザインが特徴の駅です。
鳥居の奥には、伝統と現代が融合した隈研吾の作り上げた空間が広がります。
3.隈研吾デザインによる美しい社殿
設計を担当したのは、地元神楽坂に在住し、赤城神社の氏子でもある建築家・隈研吾。
隈研吾氏が手がけた社殿は、神楽坂の風情ある街並みと調和しながらも、現代的な美しさを感じさせます。
また、境内には隈研吾氏の設計によるマンション「パークコート神楽坂」が併設され、神社と一体化した新しい都市空間を形成しています。
4.赤城神社の取り組み再生プロジェクトとは?
かつて神社は、地域社会の精神的な支柱として、人々の心の拠り所となる重要な役割を果たしていました。
しかし、現代の神楽坂では観光目的の参拝が増え、神社の在り方も変化しています。こうした時代の流れの中で、赤城神社は「新しい神社の価値」を提案し、独自の取り組みを進めています。
その一環として誕生したのが、「あかぎカフェ」「あかぎ寄席」「あかぎマルシェ」といった文化活動です。これらは、神社がただ祈りを捧げる場所ではなく、訪れる人々が「ひと息つける場所」としても機能することを目指した試み。神楽坂の街並みに溶け込みながら、伝統と現代の融合を実現しています。
神社境内には、茶屋ではなくカフェを設置し、寄席やマルシェなども開催しています。
赤城神社は、地域の精神的な拠り所であると同時に、忙しい日常の中で心を落ち着ける場として、また、人々が集い交流する場としてのの役割も果たし、神楽坂の文化と共に進化を続けています。
神社の参拝の仕方はこちらの記事をどうぞ。
◆神社参拝の作法を学ぼう!
新宿区にある神社の歴史や特徴についてはこちらから。
◆新宿区にある神社13選|歴史と文化を感じよう!
(写真・文:松尾まみ)
基本情報
神社名 | 赤城神社 |
住所 | 東京都新宿区赤城元町1-10 |
TEL | 03-3260-5071 |
アクセス | 「神楽坂」駅から徒歩2分 |
※時間、お休みなどの情報は変更されている場合があるので、最新情報は直接確認してください。