新宿住友ビルで出会う、平和を考える空間
新宿の高層ビル群の一角にある「帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)」は、戦争を知らない世代にとっても、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝える貴重なスポットです。
ここでは、先人たちが体験した戦争の悲惨な記憶が忘れ去られることのないよう、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の労苦や体験が、親から子へ、子から孫へと語り継がれるように展示されています。
体験を追体験できる多彩な展示
資料館には、当時の状況をリアルに感じられるよう、以下のような展示が整えられています。
- 実物資料:衣類や日用品、手紙など当時の生活の息遣いを感じられる品々
- グラフィック・映像:当時の様子を描いたパネルや、証言映像
- ジオラマ:戦地や引き揚げの様子を立体的に再現した模型
これらの展示を通じて、戦争体験を「見て」「聴いて」「触れて」学べるのが大きな魅力です。
展示品として再現されたシベリア抑留者の食事は、驚くほど粗末なものでした。わずかな黒パンと具のほとんどないスープ、味も栄養もほとんど感じられない粥──。
飽食の時代に生きる私たちには想像もつかないような、ぎりぎりの生活がそこにはありました。
戦後、多くの日本人が国外の過酷な環境で、飢えや寒さと闘いながら生き延びようとしていた事実。目の前の食事がどれだけ貴重なものだったか、戦争の影がどれだけ深く人々の暮らしに及んでいたのかを、改めて考えさせられます。
知識を深める施設・体験
館内にはビデオシアターがあり、戦後の記録映像を上映。迫力ある映像からは、教科書だけではわからない“戦後のリアル”を感じ取れます。
また、図書閲覧コーナーでは関連資料や書籍を手に取って読めるため、関心に応じてさらに深く調べることも可能です。
当たり前の日常に感謝
何気ない日常のありがたさ、そして平和の尊さを実感するためにも、こうした歴史の記録や展示にふれることは、私たち一人ひとりにとって大切な機会です。
戦争体験を伝えるだけでなく、平和への願いを未来へ紡ぐ「帰還者たちの記憶ミュージアム」。新宿にいながら学びと気づきの時間を持てる、貴重なスポットです。
ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
(YOKOSO新宿編集部)
基本情報
住所 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル33階 |
TEL | 03-5323-8709 |
休館日 | 月曜日(祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)、新宿住友ビル全館休館日 |
開館時間 | 9:30~17:30(入館は17:00まで) |
料金 | 無料 |
サイト | http://www.heiwakinen.jp/ |
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