“おしゃれは足元から”という言葉があるが、靴でファッションは大きく変わる。きれいな靴を履くだけで、爪先から頭のてっぺんまでしゃんとして「自分はいい女」と思えるから不思議。私が靴に目覚めたきっかけは、伊勢丹新宿店本館2階にある靴売り場だ。
ここの魅力はなんといってもディスプレイ。豊富なラインナップもさることながら、美術品のようにていねいに置かれた靴たちは、見る人みんなを魅了する。特にハイブランドコーナーは圧巻。見ているだけで胸がときめく。買わずとも、行くだけで心が優雅で豊かになれる場所。個人的に新宿の名所の一つだと思っている。
新宿はどの改札を出ても靴屋・靴売り場がある。私のお気に入りは東口~南口エリア。伊勢丹を筆頭に大型売り場が集結。丸井の地下1階は、フロアの約8割が靴売り場。歩きやすさにこだわったPB製品やレインパンプス、こじゃれたものまでと嬉しい品揃え。価格が手頃なのもありがたい。取材で歩くことが多い私も、大変お世話になっている。
ルミネ2の2階にある「ダイアナ」は、デザイン性と歩きやすさを兼ね備えたブランド。靴は大体1万円代とちょっとお高め。20代の頃、欲しくてもなかなか買えなかった。きれいな先輩が履きこなし、颯爽と営業に行く姿を見ては憧れたものだ。初めて買った時は嬉しくて嬉しくて。しばらく履かずに箱から出して、ただただうっとりと見ていた。
南口の顔である高島屋は、開放的な売り場。上述3店との違いは、対象年齢が広いこと。シニア女性向けの靴も多く、母娘で楽しめること間違いなし。来年の母の日は、母と一緒に行ってプレゼントしてあげようかな、なんて思っている。
今必要なものから「いつか履きたい」と憧れるものまで、新宿にはたくさんの靴がある。新宿は“靴の聖地”と言っても過言ではないだろう。来ればきっとお気に入りの一足が見つかるはず。女性を足下から美しくする-新宿にはそんな一面もある。
(文:ライター福田 恭子)