「日中女性の集い・明日につながる女性交流を」に参加
日中平和友好条約締結40周年記念「日中女性の集い:明日につながる女性交流を」が平成30年6月3日、秋田県秋田市の秋田ビューホテルで開催されました。
開会にあたり、ご多忙のため欠席された公益社団法人日本中国友好協会の丹羽宇一郎会長に代わって同協会の小野寺喜一郎常務理事から、および同協会全国女性委員会の石黒かほる委員長から、主催者側を代表してそれぞれ挨拶がありました。続いて来賓として、中華人民共和国駐日本国大使館政治部の孫暁琳参事官と佐竹敬久秋田県知事から祝辞をいただきました。この4名の方々のご挨拶や祝辞の中で、日中平和友好条約締結40周年記念という大きな節目にあたり、経済を通じて政治を促し、民を通じて官を促すことによる日中友好交流の発展が切に願われること、また、今後の日中友好民間交流の発展のためには、女性たちの力が更に発揮されることが重要である旨強調されました。
来賓のご挨拶に続き、俳優の中野良子氏による「明日につながる女性交流」をテーマに基調講演が行なわれました。中野氏は私たち中国人、特に70年代以前に生まれた中国人には知らない人のいないほど人気を博しています。1978年に中国で初めて上演された日本映画「君よ、憤怒の河を渉れ」、中国での題名「追捕」のヒロイン、真由美を演じられた方です。映画「追捕」は中国の人々の間で大きな共感をよび、一夜にして中野良子氏=真由美の名前は有名になました。今日までそのお名前は中国人の間に知れ渡っています。ところで、このような華やかな方だとばかり思っていた中野氏ですが、今回のご講演をうかがって、この40年間、中国と日本との政治や文化の違いから、私たちが想像する以上に様々な困難に出会ったり困惑させられたりして、ご本人しか体験できない大変なことを数多く経験されてきたことを知りました。何度も日中交流の仕事をやめようとお考えになったそうですが、日中友好のためになんとか尽力したいという強い気持ちをもって、正しいと思うことを行ない、実行しているうちに自然と道が開けてきたという感慨深いお話をされました。ご講演の中で、中野氏は中国語で「大海啊故乡」を披露されました。それは素晴らしい歌唱力と情溢れた表現力でした。場内には拍手が湧きおこり、現在の冷ややかな中日関係に温かな光がさした瞬間のような気がしました。
最後に2人の方の体験発表がありました。まず在日華人女性交流会の姜春姫会長が、同交流会設立の経緯を紹介されました。14年前に始めた数人のママ友グループから、今日のような百人以上の大規模な組織にまで成長したのは、姜会長をはじめ、周りの多くの女性達の支えがあったからでした。毎年様々な活動を通じて、定期的に会員間の交流や社会の多方面での交流を深めることによって、組織とともに自己も成長できた14年間でした。次に、秋田県にかほ市日中友好協会の藤田暁陽氏が発表されました。中国語講師をしながら地域の人々と続けている交流の経験が紹介されました。
夜の交歓会では、劇団わらび座による素晴らしい公演、来賓代表のスピーチなどがありました。また、秋田のおもてなしの地元料理、特にあきたこまちで作られたきりたんぽをとても美味しくいただきました。参加者の李愛さんが、きりたんぽをたくさんいただいたので、来るときより美人になったような気がすると絶賛していました。さらに忘れられないのは、在日華人女性交流会の参加者が中野良子氏と一緒に「大海啊故乡」を歌ったことです。美しい人と美しい歌を歌うことで、交歓会はクライマックスに達しました。私たち参加者全員にとって、愉快かつ有意義なひと時を過ごすことができました。
翌日のエクスカーションでは、主催者側が角館武家屋の散策と劇団わらび座のミュージカル「ブッダ」の鑑賞を用意してくださいました。秋田の自然の景色や美味しい地元料理、地元の文化を満喫することができました。
この度の「集い」はわずか2日間でしたが、参加させていただいて、よかったと思います。昨今インターネットなどを通じてお互いの国の情報が大量に、そして瞬時に伝わるようになる一方で、必ずしもお互いの真実の姿が伝わっているとは思えません。こうした中で、民間交流はますます重要になっています。お互いの国で暮らす人々がどのようなことを考え、どのような課題を抱えているのか。本人達の体験談による交流を通じて知ることで、人々の顔が見えてきます。それぞれの分野で活躍する女性の姿を知ることも出来ました。
在日華人女性交流会が、長年にわたり幾多の困難を乗り越えて、自らの努力で立派な女性の組織に成長したことに感動しました。「継続は力なり」。これからも一層のご発展とますますのご活躍をお祈りいたします。(川上永順供稿)
文章摘自 微信公众号 春阳文化