東京タワーに東京スカイツリー。東京には世界的にも有名な展望タワーがあり、連日外国からの観光客も多く訪れています。
2018年に開業60年を迎えた東京タワーは、来場者が1億8,000万人を突破。一方、東京スカイツリーは2018年の1月、開業5年8ヶ月目に来場者はすでに3,000万人を突破しています。
これら展望タワーでも人気の眺望のひとつが、西新宿の摩天楼です。少し離れた場所から見ても際立つ高層ビルの数々。西新宿は大都市東京ならではの眺望に華を添えてくれる、そんなエリアなのです。
これら西新宿にある高層ビルは主にオフィスビルやホテルなどで構成されており、観光スポットとはほど遠いようにも思えますが、楽しめるスポットも盛りだくさん。
摩天楼の始まりは京王プラザホテルから
新宿駅西口から通路を歩いて5分ほどで見えてくる「京王プラザホテル」は1971年(昭和46年)に完成した新宿初の高層ビルです。まだ霞が関ビルくらいしか高層ビルがない時代。地震が多い日本では高層ビルなど考えられない、そんな時代でした。当時は西新宿にも2階建ての戸建てやアパートなどの住宅街が広がっていました。
今や日本を代表する摩天楼の始まりは京王プラザホテルから。その風格ある姿は、高層ビルがひしめく現在の西新宿でも、存在感を放っています。
コンクリートジャングル×オアシス=西新宿の魅力
今年の夏もムシムシと暑いですよね。ここ、新宿駅西口から徒歩7〜8分の高層ビル群のエリアに到着する頃には、汗が滝のように流れ出るほど。
新宿センタービル、新宿三井ビル、新宿住友ビル…地上50階建てを超える巨大な高層ビル内には多くの企業がオフィスを構え、多くの人が働いています。そのため朝の始業時間前やお昼時などには、ビル内のエレベーター前は行列ができるほどの混雑ぶり。オフィスについてから「あ、ちょっとコンビニに…」というわけにはいきません。高層階にあるオフィスの、自分のデスクにたどり着くのは一苦労なのです。いやいや、本当に慣れないと人酔いしてしまう程。お疲れ様です。
そんな高層ビル群なのですが、ただのコンクリートジャングルというわけではありません。ビルの下にはレストランやカフェが入っていて、ちょっとした広場や休憩スペースがあるビルも。たとえば新宿三井ビルなどは流れ落ちる水を見ながら休憩できる広場があり、日差しを避けながらコーヒーを飲んだりお弁当を食べる人の姿も多く見られます。
そして、そのお隣りにある新宿住友ビル。1974年(昭和49年)に完成し、京王プラザホテルの次に誕生した歴史ある高層ビルです。高層階にはレストランが入っていて、眺望を楽しみながら食事をすることができます。夜のロマンティックな雰囲気はデートにもぴったり。現在は商業施設を備えた日本最大級のアトリウムを建設中で、その大規模なリニューアルに注目が集まっています。
西新宿にある摩天楼は、その歴史とともに少しずつ変貌を遂げています。高いだけじゃない、無機質なコンクリートだけじゃない。そんな魅力あふれる高層ビルは、そこで働く人だけではなく、訪れる人をさり気なく癒します。
(文:畑 利枝)
その他、新宿西口の観光スポットはこちら!
■思い出横丁(老舗人気店はここ!)
昭和ノスタルジーを感じことができるこの界隈は、ゴールデン街と同様に外国人観光客にも人気のスポットとなっています。
■新宿中央公園
都庁の裏手にある緑豊かな公園です。8万8000平方mの敷地に、樹木が生い茂る都会のオアシス。週末はよくフリーマーケットやイベントも開催。
■東京都庁展望室
45階にある無料の展望台。天気の良いに日には遠くに富士山も見えます。夜は眼下に摩天楼が広がりロマンティック。
■東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
安田火災海上ビル42階にある、空に近い美術館。独特なロマンティックな画風の女性を描くことで知られた東郷青児の作品を収蔵。
■熊野神社
西新宿の都庁近くにある熊野神社は、室町時代の応永年間(1394~1428)に起源をもつ、歴史ある由緒正しい神社です。
■平和祈念展示資料館
新宿住友ビルの48階。大戦における兵士や引揚者などの労苦についての様々な実物資料を展示。