ただの公園じゃない!自然と文化・カルチャーの交差する都会の楽園
渋谷・原宿エリアにありながら、約54万平方メートルという都内屈指の広さを誇る「代々木公園」。ここは、自然と都市機能が融合した都心のオアシスとして、週末はカップル・家族連れ・外国人観光客など幅広い層でにぎわいます。
実は、今でこそ自然とイベントの公園として知られる代々木公園ですが、かつては若者カルチャーの発信地として、一時代を築いた“伝説の場所”でもありました。
1970年代後半から1980年代にかけて、代々木公園の入口付近の歩行者天国では、“竹の子族”と呼ばれる若者たちが、サテンのカラフルなド派手な衣装を身にまとい、ラジカセの音楽に合わせて踊る姿が見られました。
この竹の子族の文化は、のちの「原宿系ファッション」や「ストリートダンス文化」にも影響を与えたといわれています。
さらに1980年代前半に登場したのが、路上パフォーマンス集団「劇男一世風靡(げきだん いっせいふうび)」。彼らは、原宿や代々木公園周辺で集団パフォーマンスを行い、その後「一世風靡セピア」として音楽デビュー。
メンバーの中には、後に俳優として活躍する柳葉敏郎さんや哀川翔さんなども含まれており、このエリアが当時の若者カルチャーの発信地であったことがわかります。
そんな、代々木公園の見どころ・施設情報・季節の楽しみ方・アクセス・豆知識までを、ちょっとユニークな視点からご紹介いたします!
1.代々木公園の2つのエリア
まずはサクッと園内紹介。公園は、「A地区(北側)」と「B地区(南側)」に分かれており、それぞれ異なる魅力があります。
A地区:自然とリラックスのエリア

どこかの田舎にいるような風景
噴水のある大きな池があったり、芝生広場や散策路が広がるA地区は、ピクニックをしたり、のんびり過ごしたい人にぴったりのエリア。
入り口付近(原宿口周辺)では、週末になると和太鼓やアフリカンパーカッションのリズムに合わせて、即興で踊る人たちも。彼らは自然発生的なパフォーマーや音楽好きの集まりで、音楽を共有しながらその場で一緒に楽しむスタイルのようです。
- 四季の自然が楽しめる(春:桜、初夏:バラ、秋:紅葉)
- 芝生広場でピクニックや昼寝
- 都内最大級のドッグラン(犬種別に分かれていて安心)
- 公園内では飲酒も可能、お花見や軽いアウトドア飲みにもぴったり
- 週末を中心にキッチンカーが出店、軽食やスイーツが楽しめる
- 日本初のバードサンクチュアリで野鳥観察も
ドッグランは登録制&無料で利用可で、園内はリード付きで散歩もOK。
B地区:スポーツとイベントのにぎわいエリア
体を動かしたりイベントを楽しみたい方におすすめのエリアです。
- 陸上競技場・サッカー場・バスケットゴールなどスポーツ施設が充実
- 週末はグルメフェスや文化イベントが多数開催
- 人気イベント:アースデイ東京、ラテンフェス、ベトナムフェス など
2.青大将にカメレオン!!筆者が遭遇した自由すぎる来園者たち
筆者も週末によく代々木公園までウオーキングをしていますが、10頭以上のワンちゃんを連れて、寒い日にもタンクトップ姿で散歩する男性(犬の散歩がお仕事のよう)をたまに見かけます。

代々木公園お散歩中のカメレオン
また、衣装を着たお散歩中のカメレオンくんにも遭遇したことが。

代々木公園ワンコのお散歩
そういえば、A地区とB地区の間にある井の頭通りで、植え込みの中に消えていく1メートル以上の長さがある青大将を目撃したことも!それだけ都心なのに自然が残っているということですね。

代々木公園に住む青大将
この通り沿いには、毎年9月中旬〜下旬になると、枯葉の中に人知れず咲く、赤や白の彼岸花が姿を見せるキレイなスポットがあります。

代々木公園に咲く彼岸花
主なイベント開催エリア
1. イベント広場(B地区)
代々木公園の南側に位置する広大なスペースで、フードフェスや音楽イベント、国際交流フェスティバルなどが頻繁に開催されます。
2. 野外ステージ(B地区)
イベント広場に隣接し、ライブパフォーマンスやダンスショーなどのステージイベントが行われる場所です。
3. ケヤキ並木(B地区)
原宿駅からイベント広場へ続く並木道で、フリーマーケットやアートイベントなどが開催されます。
週末や祝日は大型イベントが多数あり、フードトラック・ライブ・マルシェなど内容も多彩。ほとんどが入場無料です。
3.豆知識|代々木公園の歴史

今は憩いの場として愛されている歴史ある代々木公園

今は憩いの場として愛されている歴史ある代々木公園
代々木公園には、意外と知られていない歴史的な背景があります。もともとは戦前、陸軍の練兵場として使用されていた場所で、戦後はGHQ(連合国軍総司令部)の宿舎や施設として利用されていました。
その後、1964年に開催された東京オリンピックでは選手村として機能し、大会終了後の1967年に、現在の「都立代々木公園」として一般に開園されました。
4.アクセスも抜群!観光との組み合わせにも便利
- JR山手線「原宿駅」から徒歩3分
- 東京メトロ千代田線「代々木公園駅」、副都心線「明治神宮前駅」も利用可
- 明治神宮・表参道・渋谷などと合わせて1日コースに最適
モデルコース例
- 明治神宮で参拝
- 代々木公園で自然とふれあい
- 原宿・渋谷で買い物やカフェタイム
代々木公園は、ただ広いだけの公園ではありません。四季の自然、にぎやかなイベント、愛犬との時間、そして時代を映すカルチャーの記憶が、この場所に息づいています。
訪れるたびに新しい発見がある──そんな代々木公園で、あなただけの過ごし方を見つけてみてください。
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(撮影・文:松尾まみ)
基本情報
名称 | 代々木公園 |
住所 | 東京都渋谷区代々木神園町2-1 |
TEL | 03-3469-6081 |
開園日 | 常時開園 |
入園料 | 無料(一部有料施設あり) |
サイト | http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index039.html |