新宿の今と昔を写真で比べてみる「いまむかし新宿の風景」
今回は新宿西口駅周辺と思い出横丁のご紹介です。上の写真は昭和30年代の新宿西口バスターミナル・思い出横丁の風景です。
1945年(昭和20年)8月15日に終戦を迎えたとき、この西口一帯は戦争で焼け野原と化していました。
その後、駅前には日用雑貨を売る露店、おでんやふかし芋などの食べ物を売る屋台が30~40軒ほどできましたが、火事で全焼。
そして誕生したのが、戸板一枚で区切った闇市(露店商のマーケット)の「ラッキーストリート」。この闇市が思い出横丁のルーツとなります。
ラッキーストリートから思い出横丁へ
ラッキーストリートには、約300軒の店舗が青梅街道まで連なっていました。
しかし、1959年(昭和34年)頃から再開発によるビルの建設などがきっかけとなり、一帯の不法占拠の店は立ち退くことになりました。
そして、残った店舗が地主から土地を買い取り、現在も思い出横丁として営業を続けることとなります。
思い出横丁については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
■戦後の闇市がルーツの昭和レトロな飲食街「思い出横丁」(老舗人気店はここ!)
昭和30年代の写真。現在の小田急ハルクの前あたりから思い出横丁を眺めた一枚。
画像提供:新宿歴史博物館
2021年8月現在。同じアングルで撮ってみましたが、ユニクロの向こうだけ今も昭和のままの風景が残っています。
先日、思い出横丁に行ってみましたが、残念ながら半分近くの店がシャッターを閉じていました。
昭和の香りを色濃く残す貴重な横丁に、早く平和な日常が戻るといいですね。
昭和30年代前半の新宿西口バスターミナル
近年の新宿西口駅の周辺は、京王百貨店・小田急百貨店に加え、HALCやルミネ、ヨドバシカメラなどの商業ビルが立ち並び、飲食店も充実しています。
昭和30年前半の西口駅前です。
小田急百貨店が昭和36年(1961年)に開業、そして、京王百貨店は昭和39年(1964年)。両デパートはオープンしていません。
西口広場は、バスターミナルがあるだけで周辺にビルもないため、東口に建つ中層階のビルを見渡すことができます。
画像提供:新宿歴史博物館
こちらは2021年8月の新宿西口バスターミナル。
駅から少し歩くと高層ビルやオフィス街になり、ユニークなデザインの高層ビルが林立します。西口のランドマークである東京都庁や京王プラザやヒルトンホテルなどのホテル群、新宿東口とは異なる顔を見せます。
■日本屈指の摩天楼は西新宿にあり!超高層ビル街の魅力
現在の新宿西口は、ショッピング・飲み屋街としても発展し、オフィス街としての魅力が強いエリアですが、2022年着工予定で新宿駅西口再開発事業が計画されています。
小田急百貨店新宿店(モザイク通り、新宿ミロード含む)周辺が地上48階・地下5階・高さ約260mの超高層ビルに建替えられる予定です(2029年完成予定)。
さびしい気もしますが、小田急百貨店は2022年9月末に営業を終了するそうです。
南口に続き西口も大きく様変わりし、新宿の玄関口としてより多くの機能を持つようになることでしょう。
(YOKOSO新宿編集部 松尾)