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早稲田の穴八幡宮|千年の歴史と一陽来復のお守りで知られる金運神社

千年の時を紡ぐ、武神の社

穴八幡宮は、康平5年(1062年)、源義家が創建したと伝えられる、千年近い歴史を持つ神社です。
平安時代、東北地方で起きた「前九年の役(ぜんくねんのえき)」という戦乱を平定した源義家が、凱旋の際にこの地に兜と太刀を納め、武神・八幡神を祀ったことが起源とされています。

鎌倉時代には源頼朝が社殿を修復し、武家の守護神として崇敬を集めました。江戸時代に入ると徳川家康が江戸城の鎮護として社殿を造営し、幕府の庇護を受けました。特に、八代将軍徳川吉宗は流鏑馬を奉納するなど、穴八幡宮を篤く信仰しました。


早稲田通りと諏訪通りが交差する「馬場下町交差点」にあるのが、正面参道にある朱色の鳥居です。地下鉄東西線の早稲田駅からもよく見えますよ。よく見ると、鳥居を支えているのは石で造られた亀なんです。

正面参道の階段をのぼった先にも朱色が目を惹く「隋神門(ずいじんもん)」。門の名前は「光寮門」です。嘉永2年(1849年)に竣工しましたが、昭和20年(1945年)5月の空襲によって消失してしまいました。

その後、平成元年(1989年)からスタートした境内全域の整備計画のひとつとして、平成10年(1998年)に再建されました。左右の柱の中には随神様が祀られています。

1641年(寛永18年)、社殿を造営中に横穴が出現し、中から金銅の阿弥陀如来像が発見されました。これが「穴八幡宮」と呼ばれるようになった由来と伝えられています。現在社殿があるのも、横穴が出現した場所。この横穴は神社の名前の由来となっただけでなく、一陽来復御守の信仰にも深く関わっています。

厳かな雰囲気の拝殿

流鏑馬1

明治時代の神仏分離令により、隣接する放生寺(ほうしょうじ)と分離されましたが、現在も神仏習合の面影を残しています。放生寺と穴八幡宮は隣接しており、両方参拝することで、よりご利益があると言われています。特に、一陽来復の時期には、両寺を巡る参拝者が多く見られます。第二次世界大戦では社殿が焼失しましたが、戦後に再建され、現在に至っています。



こちらは正面参道鳥居の先にある石造りの鳥居。鳥居の脇には小さな公園があり、参拝の途中でひと息つくのにおすすめです。

また、早稲田通り沿いにある青銅製の鳥居も見ごたえがありますよ。青銅鋳物製の一体鳥居のなかでは、日本で2番目の大きさとのこと。貫には菊の御紋と鳩が3羽とまっているのでゆっくりと見上げてみてはいかがでしょうか?

開運招福のパワースポット「一陽来復御守」とは?

穴八幡宮は、武神である八幡神を祀ることから、勝負運、出世運のご利益があるとされています。また、江戸時代には徳川家が庇護したことから、開運、商売繁盛のご利益があるとされ、多くの参拝客が訪れます。

特に有名なのが、「一陽来復御守(いちようらいふくおまもり)」です。一陽来復御守とは、穴八幡宮で冬至から節分までの期間限定で授与される特別なお守りです。古くから「金運招福」「商売繁盛」「開運成就」にご利益があるとされています。

一陽来復とは、陰極まって陽に転じることを意味し、冬至を境に運気が上昇するとされています。このお守りは、その年の恵方に合わせて家の高い位置に貼り付けることで、より強いご利益を得られるといわれています。ちなみに、2026年の恵方は「南南東(やや南)」。

一陽来復御守の授与期間中は多くの参拝者が列をなし、その人気ぶりが伺えます。冬至、大晦日、節分の夜中12時に、その年の恵方に向けてお祀りするという習わしがあります。この習わしを守り、正しい方法でお祀りすることで、より一層のご利益を期待できます。

一年を通して楽しめる伝統行事

流鏑馬7

穴八幡宮では、一年を通して様々な祭事が行われます。1月1日には元旦祭が行われ、新年の始まりを祝います。2月の節分祭では豆まきが行われ、参拝客で賑わいます。

9月15日には例大祭が行われます。例大祭では神輿や山車が繰り出し、流鏑馬が奉納されるなど最も盛大な祭りです。特に流鏑馬は穴八幡宮の歴史と伝統を感じることができる神事として、多くの人々を魅了します。

最も有名なのが、冬至から節分にかけて行われる一陽来復祭。この祭りでは一陽来復御守が授与され、多くの参拝客が訪れます。期間中は境内が多くの人で賑わい、活気に満ち溢れます。

その他にも、毎月1日と15日には月次祭が行われ、神楽が奉納されます。これらの祭事を通して、穴八幡宮は地域の人々にとって心の拠り所となっています。

高田馬場流鏑馬もこの神社で、毎年10月の第2月曜日に開催されます。
流鏑馬の取材レポートはこちらの記事をご覧ください
【高田馬場流鏑馬】勇壮な伝統文化!迫力満点の馬上弓術を取材レポート

神社の参拝の仕方はこちらの記事をどうぞ。
神社参拝の作法を学ぼう!

新宿区にある神社の歴史や特徴についてはこちらから。
新宿区にある神社13選|歴史と文化を感じよう!

基本情報

神社名 穴八幡宮
住所 東京都新宿区西早稲田2-1-11
TEL 03-3203-7212
アクセス 東京メトロ東西線「早稲田駅」下車、3B出口より徒歩5分「神楽坂」駅から徒歩2分
開門、閉門時間 拝殿:6:00~17:00、幣殿:9:00~16:00、社務所:9:00~17:00、公衆トイレ:9:00~16:30(それ以外の時間は有料)

※時間、お休みなどの情報は変更されている場合があるので、最新情報は直接確認してください。

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(文:鶴田智美)

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