こんにちは、YOKOSO編集部です!『あなたが消えた夜に』文庫化記念トークイベント 中村文則×又吉直樹「小説を書く人間」へ行ってきました!
同じ芥川賞作家でプライベートでも親睦が深いお二人が、小説を書くこと・作家であることについて語るイベントでした。
前半は、新聞連載をしているお二人ならではのトークが印象的でした。
今どれくらい原稿のストックがあるか、どのようなペースで書いているか、締切に追われるライブ感が新聞連載の醍醐味だ!など、書いている人の“生の声”を聞くことができました。
中盤では、又吉さんがお笑い芸人と小説家を両立する上でのエピソードがありました。
「クイズ番組に出ていて、答えを記載しようとしたら小説のネタが浮かんできてついメモしてしまう。あれだけ人前で話していても、やっぱり文字で表現したくなるんですよね」と語っていて、又吉さんが文学を愛する様子が伝わってくる瞬間でした。
そして、中村さんが“本のタイトルの裏話”をしてくれました。
「実は、当初のタイトルは『あなたが消えた朝に』だったんです。ただ、担当さんから『この連載が載るの夕刊なんですよね』という一言で、『あなたが消えた夜に』に変更したんです。」タイトルや挿絵などのビジュアルから、インスピレーションが湧き作品に活かせると語っていました。
中村さんが又吉さんの話題をどんどん引き出す形で、あっという間に後半に。
質問コーナーではどっと笑いが起き、和やかなムードで会場に一体感が生まれていました。最後にお二人の姿を撮影させていただきイベントが終了しました。
小さな頃から当たり前のように“書く”ことが生活の中にあって、感情をひたすらに文章で表現する。自分と世界との境界線にある矛盾と対峙した結果、生まれてくる視点を“読み物”として完成させているお二人の姿に刺激を受けました。
■イベント詳細
第288回 新宿セミナー@Kinokuniya 中村文則×又吉直樹「小説を書く人間」(2018年11月16日)
『あなたが消えた夜に』文庫化記念トークイベント
『あなたが消えた夜に』中村文則(著)
ISBN:978-4-620–21023-0
定価:本体750円(税別)
判型:文庫サイズ
頁数:504頁
ジャンル:小説・評論
連続通り魔殺人事件の容疑者”コートの男”を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。しかし、それはさらなる悲劇の序章に過ぎなかった。世界の片隅で求め合う男と女。極限の愛が狂気に変わる時、「人間」を超えた殺人者の終わりなき〈復讐〉が始まる――。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。〈純文学×警察小説〉かつてない衝撃!圧倒的人間ドラマ!待望の文庫化。
■著者プロフィール
・中村文則(なかむら・ふみのり)
1977年愛知県生まれ。2002年『銃』でデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。欧米での評価も高く、14年にDavid L.Goodis賞(米)を日本人として初受賞。16年『私の消滅』でBunkamura ドゥマゴ文学賞。最新刊は『その先の道に消える』。
・又吉直樹(またよし・なおき)
1980年大阪府寝屋川市生まれ。高校卒業後、芸人を目指して上京しNSC(吉本総合芸能学院)に入学。2003年同期の綾部祐二とともにお笑いコンビ「ピース」結成。15年『火花』で芥川賞を受賞。その他の著書に『第2図書係補佐』『東京百景』『劇場』などがある。18年9月より毎日新聞夕刊で小説『人間』連載中。
(YOKOSO新宿 編集部)